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羽坂通通信

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肛門科

恐ろしい肛門疾患

肛門疾患は頻度の高い方から痔核(イボ痔)、肛門周囲膿瘍(痔瘻、穴痔)、裂肛(切れ痔)となっておりまして、これらを合わせると全肛門疾患の7割から8割を占め、肛門の3大疾患といわれています。しかし、残りの2〜3割には恐ろしいガンやクローン病などの炎症性腸疾患が含まれてます。

いちばん多い症状としては、腫れ、出血、痛み、痒み、いわゆる痔の4大徴候ですが、直腸・大腸癌の初発症状も便通異常、出血などが多いのです。

痔だろうと自己診断して放置するのは危険です。直腸癌などでは肛門から指一本入れるだけで診断がついてしまう場合も多いのです。恥ずかしがらずに、一度、肛門検診を受けられることをお勧めいたします。


【注意事項】
  肛門部 直腸下部
肛門疾患 外痔核、内痔核、裂肛、痔瘻、
毛巣洞、肛門周囲膿瘍
直腸周囲膿瘍、痔瘻、
直腸脱
良性腫瘍 肛門ポリープ 腺腫
悪性腫瘍 肛門癌、痔瘻癌、
ボーエン病、ページェット病
直腸癌、カルチノイド、
悪性黒色腫
炎 症 クローン病、膿皮症、
化膿性汗腺炎
クローン病、潰瘍性大腸炎
感 染 コンジローマ、淋病、AIDS  

※細胞の検査(生検)やピロリ菌の検査を行った場合、胃の壁に傷が付いていますので、出血したり、ばい菌が入ったりしますので食事は3時間くらい摂らないようにしてください。
※胃カメラ後、少々、鼻血が出る場合があります。
止血剤を鼻の中に噴霧すれば治まりますので、すぐにご連絡下さい。
※胃の動きが極端に低下している方の場合、3時間程度の絶食では胃内容が残っている場合もあります。
このような方の場合は、検査前12時間以上の絶食が必要となります。

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肛門視診にて診断できる疾患
  1. 肛門ポリープ
  2. 直腸ポリープ
  3. 肛門癌
  4. 肛門周囲掻痒症
  5. 裂肛
  6. 痔瘻
  7. 肛門周囲膿瘍
  8. 直腸癌
  9. 血栓性外痔核
  10. 内痔核
  11. スキンタッグ(皮垂)
当院でできる検査
  1. 直腸視診・指診
  2. 肛門鏡検査
  3. 直腸内視鏡検査
  4. 大腸内視鏡検査

【できない検査】肛門管超音波検査、肛門管造影検査、直腸肛門内圧測定検査、CT・MRI検査

当院でできる治療法
  1. 軟膏・坐薬、内服などの保存療法
  2. 痔核硬化療法(ジオン注)
  3. 痔核結紮療法血栓除去術
  4. 痔瘻Seton法
  5. 内視鏡的痔核結紮術、ポリープ切除術

【できない治療法】入院を要する手術、PPH、など

それぞれの痔の治療

痔の治療法は三段階あります。軽度のものは保存療法(薬物療法)、中等度のものは痔核結紮や硬化療法などの外来処置、重度になると痔核切除などの手術療法となります。より早期の段階で治療を開始すると、患者様にとっても楽で、医師にとっても手軽な手段で治療を行うことが出来ます。特に、痔核結紮法や硬化療法など痔核の外来処置は安全で合併症が少な点で優れていますので、早い段階での治療をお勧めいたします。

外痔核

排便時間の長い方は排便促進剤を使用して排便時間を短くします。
便が硬い場合は緩下剤を使用し、残便感のある方は浣腸を使用します。
掻痒感のある方は、軟膏の塗布や痔疾用の坐薬を使用します。
痛みの強い方では、鎮痛剤や坐薬を使用したり、局所麻酔下に血栓除去術、外痔核切除術を行います。
でも、手術を必要とする方は少数にとどまります。

内痔核
内痔核はGoliger分類で4つの段階に分類されます。

1度 : 出血するが脱出しない  → 止血剤、硬化療法、痔核結紮
2度 : 脱出するが自然に戻る  → 坐薬、硬化療法、痔核結紮、手術
3度 : 脱出するが押すと戻る  → 硬化療法、痔核結紮、手術
4度 : 脱出したままで戻らない → 手術
   
この分類から見ますと、痔核の程度は、痛みや出血などのつらい症状とはあまり関係がないように見えます。なかでも、治療の対象にならない場合も多くあります。実際、出血がひどくても、坐薬や軟膏などの薬物療法で短期間で治ってしまうこともよくあるのです。肛門疾患は直腸指診や肛門鏡などの簡単な検査で診断がつきますので、早い時期に診断を受けて下さい。
肛門周囲膿瘍(痔瘻、穴痔)

痔瘻は痔疾患の約2割を占めますが、圧倒的に30〜50歳代の男性に多く、軟便の方に多い傾向にあります。
痔瘻は、直腸下部の肛門小窩(肛門腺)に入り込んだ細菌が括約筋間に感染巣を形成して、炎症を起こし膿が溜まる(膿瘍)、あるいは肛門周囲皮膚までトンネルを形成(瘻孔 )することが原因です。

   

トンネルの拡がる範囲から分類されますが、粘膜下痔瘻、内外括約筋間痔瘻、肛門挙筋下痔瘻、肛門挙筋上痔瘻と分けられます。治療は、外科的に瘻孔 を切除するのが原則で、複雑な痔瘻は入院して手術するのが望ましいでしょう。

ただ、単純なものはSeton法と言って、瘻孔 にゴム紐や糸などを通して、自然に瘻孔 を解放する方法が見直されてきています。この方法は、手術と違って肛門の筋肉を傷つけたりすることがなく、機能障害や再発も少ないのが特徴です。ただし、自然に瘻孔 を解放されるのを待つために治療日数が長い点が欠点となります。

裂肛

肛門の過伸展によって急性にできた肛門上皮の裂創のことで、切れ痔と称されています。排便時の肛門痛と出血が主な症状です。慢性化した裂肛は肛門潰瘍と呼ばれ、肛門ポリープや肛門狭窄(肛門が狭くなる)を伴います。1〜2回のことなら治療しなくても良いと思いますが、繰り返すうちに治りにくくなりますので、早めに診察を受けられた方がよいでしょう。

原因として、最近では、肛門括約筋の緊張が慢性的に高まっていることが挙げられています。さらに、この状態で、肛門が痛いから、食欲が落ちる、食べる量が減る、便秘になる、便が硬くなる、排便時に肛門がまた切れる、ことを繰り返して、さらに悪化していくのです。この悪循環をどこかで断ち切らなくてはなりません。よって、治療方針として、肛門部の清潔保持と保温、排便習慣の調整、食事指導、そのうえで痔疾用軟膏・坐薬、緩下剤などを使用します。それでも改善しない場合は手術となります。手術と言っても、外来でできる簡単な「内括約筋切開術」から入院を必要とする「皮膚弁移動術」までさまざまです

肛門の悪性腫瘍

症状はさまざまですが、まず便に血が混じる、血便が出る、下痢と便秘を繰り返したりする排便の異常がある、などが多いようです。
便の表面に赤い血が付着していて便の中には血が入っていない場合は、肛門付近の病変の可能性が高く、肛門から指を入れる検査をすると、ほぼ診断がつく場合が多いです。
便の表面にも血が付いているが、便の中にも血が混じっている場合は、直腸やS状結腸あたりの病変が考えられます。直腸内視鏡検査や大腸内視鏡検査を行えば診断がつきます。

また、便に付着している血液が真っ赤ではなく、黒ずんでいる場合は、さらに上部の大腸あるいは胃・小腸の病変も考えられます。

便の性状は、口から肛門までのすべての腸管の異常を察知するために、非常に重要な情報を与えてくれます。便の色調、内容の性状、臭い、量、など、ある種の疾患では便を見るだけで診断がついてしまうものもあるのです。
肛門疾患は、胃・大腸・肛門だけでなく、肝臓・膵臓などの重要臓器の異常を知らせてくれる大事な疾患です。最近、おかしいなと感じられれば、早めに受診してください。少量の便を持参いただければ診断に大変参考になります。

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当院で行う手術について

■内痔核
  1. ジオン注(硬化療法)
  2. 結紮療法
  3. 振り分け結紮術

    がほとんどです。
    大きな痔の場合は、予約のうえ、手術室で行いますが上記の方法は外来診療中に行います。
    まず、肛門に局所麻酔の注射をして肛門緊張を緩めたうえで硬化剤の注入、あるいは結紮を行います。
    術後は鎮痛処置を行いますので、術後疼痛は軽いと言えます。
 
■ 裂肛(慢性裂肛)
sliding skin graft法を行うことが一般的です。
肛門に局所麻酔を行って肛門緊張を緩めたうえで裂肛部分を切除して縫合します。
縫合部分の皮膚の緊張をとるためにお尻側の皮膚を切りますので傷が修復されるまで、2〜3週間を要します。
 
■ 外痔核・肛門ポリープ
振り分け結紮法を行います。
単純に縛ってしまうと肛門の変形を起こして、傷が引きつれて排便の障害が起こることがありますので、切る部分を左右2つに分けて(振り分け)切除します。
こうすることによって、真ん中に縦の傷が出来ますが肛門の変形を起こすことなく傷を治すことが出来ます。
術後の注意
  1. 術後、しばらくの間、軽い出血が続きます。
    薄い血液であれば、心配は要りませんがもし真っ赤な血液が出るようなら、すぐに連絡して下さい。
  2. 傷の消毒は特に必要ありません。
    本来、便が通るところですので、傷には強いのですが、毎日2回ほど(特に排便後は)シャワーなどできれいに洗っておいて下さい。入浴もかまいません。
  3. 傷には、当院から処方する軟膏を1日1〜2回塗布して下さい。
    (肛門を洗った後がよいでしょう)
  4. 強い痛みや肛門の腫れがあらわれた場合には、すぐに受診して下さい。
    感染の疑いがありますので、抗生物質などの使用が必要です。

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